今回は、CMディレクター森清和浩と、彼を支える仲間たちに話を聞きました。
CM制作の現場ではディレクターを中心とした制作チームのことを「組」とは呼ばないのが通例ですが、それでもあえて「森清組」と名付けるとしたらどんなメンバーですが?と本人に質問したところ、すばり名指しされたのがROBOTのプロダクションマネージャー(通称「PM/制作」)たち。彼らは一体…?
写真中央:
森清和浩(もりきよ かずひろ) プロフィール
1980年1月10日生まれ。東京都出身。多摩美術大学卒業。サッカー部。大学在学中より映像制作を始める。卒業後、ROBOT入社。
CMディレクター&プランナーとして数多くのCM作品を制作。ジャンルを問わずWEBムービー、ショートフィルムなど活動の場を広げている
プロダクションマネージャー プロフィール
写真上段・左から:
安部拓人(あべ たくと) 1982年生まれ、2012年入社。
中平拓志(なかひら たくじ) 1981年生まれ、2008年入社。
五十嵐怜(いがらし りょう) 1981年生まれ、2013年入社。
吉田裕一(よしだ ゆういち) 1982年生まれ、2012年入社。
橘川大地(きつかわ だいち) 1990年生まれ、2013年入社。
写真下段・左から
石割友子(いしわり ともこ) 1984年生まれ、2015年入社。
野村梓二(のむら しんじ) 1984年生まれ、2011年入社。
ディレクター&プランナーとして数多くのCMを制作している森清和浩。その森清曰く〈森清組〉を形作っているのは、準備から仕上げまで現場の進行を司るプロダクションマージャー(以下、PM)たち。どうしてPM=組なのか。それは森清の演出スタイルと彼自身の人間観にも大きく繋がっている部分だ。
森清:ディレクター、PM、双方ともいろんな案件を掛け持ちしていることが多いんですよ。加えてだいたい完成まで1カ月、制作に至るまでのプレゼンだけだと2週間くらいで関係が終わってしまったりすることもあるんですが、仕事をするうえですごく濃厚な関係で、だからこそ密なコミュニケーションが必要になってくるんです。現場を具体的に進めていくのはPMなので、こちらもどんなPMが付くかによって、想定が変わってくるんですよ。例えば、“美術さんに連絡しといてね”っていう場合、僕の感覚だとその連絡が半日遅れれば美術さんが考える時間や作る時間も半日奪われるので、クオリティも下がってしまう。なぜPMが自分にとっての“組”なのかと言うと、他のどのスタッフよりも膨大な情報を共有するし、作品のクオリティに直結する存在だからです。だからPMたちにはすぐに動けるよう、自由な発想ができるよう、とにかく頭が一番柔らかい状態でやってもらいたいって思ってます。スタッフにもちゃんと頼るっていうときに、頼るべく人が緊張していて、僕に気を遣いすぎてるとその人が力発揮してくれないじゃないですか。だから砕けていいんですよっていう作業はするほうですね。
PMが自由に物を言えて、近しい距離でいられる空気こそ森清の望むところである。
森清:僕が思ってるのは、学生時代の友達といるときと同じテンションにできないかなっていうことなんですよ。学生時代の友達といるときって、一番頭が柔らかい状態だと思うんですね。“このあとどうして遊ぶ?”って友達に聞かれたときの脳みその働く能力ってすごいじゃないですか。そこに持っていくためにどうするかを考えて、組を作っていくっていうところはありますね。その環境作りのために、一緒に仕事をするPMと目黒川沿いに散歩に行ったりするんですよ。まずちょっと服屋見に行こうぜって(笑)。