2002年にROBOTに新卒入社した新井風愉ディレクターと、彼とともにたくさんの作品を作ってきた社内のプロデューサー陣を代表し、吉上由香プロデューサー、川崎泰広プロデューサー、松本隆洋プロデューサーに話を聞く、第4回「組のちから」。
ここからは、プロデューサー編と題し、プロデューサー側の目線でのディレクターとの関係、プロデューサーという仕事、そして制作現場を語ってもらった。
まずはプロデューサーが新井に何を求めているのかについて聞いてみた。
松本:センスのいいものにしたいなっていうときに風愉くんに声を掛けたくなりますね。そうすると、絶対にいいものにしてくれる。あとアニメーション絡んだものは多いです。
川崎:アートとまでは言わないですが、映像作品の中にアートと広告があるとしたら、風愉さんはその真ん中くらいのところで面白いものを作ってくれるという印象です。CMを主戦場にしてがっつりやられているディレクターと比べたら、ちょっと作家のほうに近い立ち位置で、自由度があるもののときは風愉さんに声を掛けたら面白くなるんじゃないかというのは思っていますね。
吉上:そのとおりですね。
川崎:風愉さんは、うちの演出家の中でも異彩を放っているというか、かなり際立った個性がある。プロデューサーとしても、外に押し出していけるディレクターなんです。
新井:そんな感じなんでしょうね(笑)。皆さんが僕に振ってくれる仕事のタイプはそれぞれ違っているので、僕自身のスタンスは変わらなくても、仕事の進め方はそれぞれ違ったりはする。川崎くんとやったwebムービーのような仕事は、小人数で企画も一緒に考えましょうというところからスタートするし、TVCMの場合は、企画は決まっていてその中でそれをどう発展させていくかという場合もあるので。