音楽は烏田晴奈が担当。音大を卒業後、美術大学でアニメーションを作った経歴をもち、映像と音楽との関係を知り抜いている若き音楽家。
いつか一緒にアニメーションを作りたいという双方の思いが叶って初のコラボレーションが実現した。
絵コンテの段階から、音楽のイメージを共有するべく稲葉と烏田との間で何度となくやり取りがなされ、最初のメインテーマが決まるまで実に三十曲以上の曲が制作された。そんな濃密なやり取りの中で共有されたアニメーションの動きと音楽のシンクロもこの作品の見どころの一つと言える。また、楽器にも竹や廃材のパーカッションを使用するなどユニークな試みがなされ、廃品たちの世界に暖かな彩りを添えている。
以前より数多くのロボット作品で効果音を制作してきたONPaの小林氏、徳永氏を中心としたチームが担当。
稲葉は今回の作品を台詞なしの映像にすることを決めていたが、主人公含め登場キャラクターが廃品という「モノ」であるため、キャラクターの感情やその「モノ」たちが持つ背景や設定など、今まで稲葉が手がけてきたアニメーション作品より更にキャラクターの存在感を際立たせたいという思いがあった。
そこで、廃品たちの音であたかも会話しているように見せたいという演出意図を伝えた。それを受けたONPaの小林氏が実際の当時の家電での音作りを提案。美術大道具の高津装飾美術倉庫を訪問し、設定と同じ1960年代のテレビや古い扇風機を借りての制作となった。
今回の作品において全編にわたる効果音は登場するキャラクターそれぞれの個性をより際立たせ、魅力的かつ生き生きとしたものにしている。また、今回これらの音を束ねたのは、ミキサーとして参加したイマジカの望月氏。長年にわたりロボットのアニメーション作品を支えてきたスタッフの一人だ。『ゴールデンタイム』は、こうした多くのスタッフの技術と熱意が結集した作品といえる。
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